ガラパゴスからエクアドルの首都キトヘ戻ると、次なる目的地はコロンビアだ。

事前に調べたところバスを乗り継いでいけるよう。コロンビアというと少し前に日本人が強盗殺人に合っていたり、南米のなかでもより一層気をひきしめないといけない国だ。

 

バスを乗り換えると

まだまだ国境の手前でバスを乗り換えるために降りる。周りの人に聞いて国境行きのバスを探す。優しいローカルの人のおかげですぐにバス停がわかった。そこに着くとまだ人は少ない。

 

数分すると少しづつ人が増えてきて、安心しているといきなり変なところ(対向車線?)からサングラスをかけたガタイのいい坊主頭でなにやらお腹あたりがふっくらしている奴が来た。

いつもならそれほど気にしていないものの、そのときはかなりの警戒モード。

同じバスに乗るであろうその男はあろうことかその場でいきなり銃を撃つ指の動きをし始めた。お腹にそれを連想させるほどの含みを持たせているのに。

(やばい!あれは完全に打つためのイメトレだ!)

そんなことを思いながらとりあえずバスを待った。30分ほどが1時間以上あるかのように感じられ、ついにバスがやってきた。

 

幸いなことにそれなりにバスは大きい。

男がフラフラしながら前のほうか後ろのほうかを迷っていたのであまり近づかないように距離を保ちながら様子をうかがっていると、周りの親切な方は

「バスはこれだよ」

って教えてくれてた。しかし、それどころじゃない僕は相変わらずそいつを見ながら乗るタイミングを遅らせようと必死だった。

幸いそいつは前の方の席に座ったので、後ろに乗り観察することに。

いきなり銃を片手に襲ってくるかもしれない。

緊迫した空気の中(たぶん俺だけ)遠心力で左右にめちゃくちゃ振られるバスの中でそれに耐えながら立っていると、なんと!

 

そいつふつーに降りてった。

 

いやいや!!そこはちょっとくらい襲うようなそぶりみせるとかあるじゃん?

さっきの銃撃つイメトレなんだったの!?

さんざんビビらせといて普通に降りるのはなしだわ!

 

という、1mmも危険さのカケラもないようなウソのようなホントの話。

 

見た目だけ(銃撃つ素振りも)で疑ってすみませんでした。